自分の家にもどり、ジルが呼ぶまで決して、覇王の前に姿を見せぬよう、言い渡され、彼女は集落から少し離れた自室への道を歩みだした。


「大丈夫よ。オリビア。あの人が全てうまくやってくれるわ。」

付き添ってくれたジルの妻、カレンが、オリビアを励ましてくれた。


「そうよね。なんとか・・・なるよね。」



そうは答えたものの、
一国の王子が、こんなところまで、自分を追って来た事に、強い衝撃と共に、戸惑いを覚える。



 
忘れようとした事は、
時間が解決してくれると
期待していた事は


そうなるどころか

甘く

オリビアの心に疼いた。