陶器の人形の様な肌に、思わず、そっと頬に触れてしまうと、姫君は、無意識の内に、宙を払って眠り続けている。

オリビアは、ベッドサイドの衣を、アンジェラの肩にかけてやり、改めて部屋の様子を見渡した。


美しい調度品や建築にため息が零れる。

そして、寝台の奥のテーブルセットでは、ヴァイスが椅子にかけて、オリビアをみていた。

穏やかな眼差し
朝の温かな光に包まれた、その男の姿を、彼女は一生忘れないだろうと思った。

「よく眠れたかい?」

そう、声をかけられ、現実に引き戻される。

「ええ。ご迷惑をおかけいたしました。
あの・・・アンジェラ様は・・・」

「ああ、よく眠ってるだろう?看病なんて、生まれてこのかたやった事がないから、途中で疲れてしまった様だな。
全て話したんだ。
この策略を・・・ 

悔やんでね。罪滅ぼしではないが、君に詫びをいいたいから、自分が付き添うと言ってね。」

事件の直後もあり、ヴァイスも用心のため、ここにいてくれたんだろう。

アンジェラを寝台に寝かせて、隣室に移動した二人は、その後の話を始めた。