一方、瑞穂達は有馬のバイト先である居酒屋に入った。

少し心配していたが、店員は有馬の顔をみるとすぐに

「有馬ちゃん!2階の個室ちゃんと取ってるよ!」

と笑顔で通してくれた。



適当に注文をして飲み物が来ると元気に乾杯の声をあげる。

加津佐達といる時も馬鹿騒ぎをしてはしゃぐのだが、やはりそれと比べるとこっちの方が等身大で雰囲気が全然違う。


おいしい料理を堪能する瑞穂に布津が隣から耳打ちした。


「おい瑞穂、ところでお前はいいのかよ」

「えっ、何が?」

「何がじゃねーよ。お前は有明と小浜のこと心配になんねーの?」

「ああ。口之津先生もいるし大丈夫じゃない?」

「でもさっきの話だとよー、有明と小浜をくっつける気らしいぞ」

「あはは、変だよね。有明先生彼女いるって言ってたのにね」

「・・・・・・」


この余裕はそれほど有明を信用しているということか。

(瑞穂らしいっちゃー瑞穂らいしけどな)

布津はため息をついた。




「そういえば深江ー、アンタもう有明先生のカーデ返したの?」

一方有馬は深江に話し掛ける。

「当たり前じゃーん。次の日には返したよ。どうして?」

「・・・・・・・・・」

「有馬さん?」

「せめて・・・・・・」

「え」


「せめて匂いでも嗅がせてほしかったわ・・・」


「「「!!!」」」


真剣な顔をして言う有馬に3人は思いっきりドン引きした。