そうこうしているうちの3人の元にカクテルが置かれ、静かに乾杯をした。


はじめはいろいろ言っていた口之津だったがひとくち口をつけると満更でもないような顔をする。


他愛もない話をしていると口之津の携帯が鳴った。


「おっメールだ。・・・なんだ祥子か」


すかさず小浜が口之津に聞く。


「ずっと聞きたかったんですけど口之津先生って生徒と付き合ってるって本当ですか?」

「はあ。そうっスけど。内緒でお願いしますね、面倒なんで」


本当に隠す気があるのかと有明は呆れる。


「えーっ、でも高校生って子供じゃないですか。私絶対無理です~」

「男女でも違うんじゃないスか?
俺もはじめは高校生とか無理って思ってたし。
好きになった奴が高校生だっただけっスよ」

「・・・・・・口之津先生、そういうセリフ似合いませんね」


思わず有明は噴出した。




「でも口之津先生・・・噂によるといろんな女子生徒に手出してるって話じゃないですか。
実際のところどうなんですか?

・・・その・・・・・・瑞穂さんとも仲がいいみたいだし・・・」


有明のグラスを持つ手に思わず力が入る。

所詮噂とはいえ、そういう話題に瑞穂の名前が出るのは気分が悪い。


「彼女はそういうことをする子じゃありませんよ」


気付けば口を挟んでしまった。
ハッとして二人を見ると少し驚いた顔をしている。


「そーっスよ。俺が疑われんのは仕方ないけど晴はそういう奴じゃねえ。
それに俺は祥子にすら手出してないっス」

「ええっ!!意外!!」


思わず声を上げてしまった小浜は慌てて口を手で押さえる。


「・・・声デケーのはアンタだろ」


口之津はボソリとツッコんだ。