「あんなん嘘に決まってんだろ!!馬鹿かお前ー!!
うっとおしいあのメスブタを突き放すための有明先生の嘘じゃボケ!!」

「ひ、ひぃーーーー!!ごめんなさい!」


布津は震えながら瑞穂に耳打ちした。


「おい!何があっても有馬にはバラすなよ!ブッ殺されんぞ!」

「言わないよ!自殺に等しいよ・・・」


それにしても有馬だが、以前『彼女がいるかどうかは大体見ていればわかる』なんて発言をしていたが・・・

それが嘘だったのか、単に有明に盲目すぎて気付かないまたはあえて気付かないフリをしているのかは定かではない――。










一方、有明達も店へと到着していた。


口之津の携帯にはずっと
『小浜と有明先生との仲を阻止せよ!』
とのメールが数十件届いている。

それを口之津はニヤニヤしながら

(祥子の奴・・・俺と小浜の仲を心配しやがって、かわいい女だぜまったく)

と斜め上の方向に受け取っていた。



「このお店ですー。行きつけなんですよー」


小浜が紹介した店はオシャレなカクテルバー。

暗い店内は大人っぽい雰囲気が漂う。


口之津は「居酒屋がよかった」と舌打ちした。