瑞穂は学校が終わって家に帰ると準備をして待ち合わせの時間に遅れないようにまた来た道を戻る。


瑞穂が待ち合わせの駅に着くと、駅から一番近い場所に住む有馬が先に来ていた。


「有馬さん早かったね」

「今来たとこー。晴子も早いじゃん」


その後遅れて深江も合流する。

布津からは数分前に部活が終わって一度帰る旨のメールが着ていた。


布津を待つ間に近くの店を3人で見てまわる。

特に買うあてもないが何となく服を見ていた時に瑞穂を見て深江が言った。


「恋をすれば女は変わるって本当だと思うの」

「突然どうしたの深江」


有馬と瑞穂はキョトンとして深江を見た。


「だってほら、晴ちゃん。
薄々思ってたけどさ・・・ちょっと変わったよね」

「え、そうかな・・・?どういう意味で?」

「晴子は晴子のまんまじゃない?そんな言う程変わってないような・・・」

「違うちが~う。
ほら有馬さんよく見てよ。
晴ちゃんの私服とかさ・・・」

「え~?・・・・・・あー。ああ~・・・」


二人マジマジと瑞穂を見るものだから瑞穂は居心地が悪くてポリポリと頭を掻いた。


「え?・・・え?なんか変?」

「いや逆」

「ぎゃ、逆?!」

「晴ちゃんちょっと服とかに気を遣うようになったよね」


深江の言葉に有馬もうんうんと頷く。


「大体テキトーにデニム履いて、上は無難で楽そうなものを合わせてたのに・・・」

「た、短パンとかだって履くよ!やめてよそんな・・・ダサイみたいな・・・。センスはないけど・・・」

「だからダサくはないって前から言ってるじゃーん」

「そうそう、シャレッ気が出てきたのよ~」

「・・・・・・」


妙な悔しさと恥ずかしさが入り混じりトーンダウンする瑞穂をよそに、有馬と深江は保護者のような目で瑞穂を見つめた。