――金曜日




「じゃあ8時に駅前で」

「俺は部活あるから後で合流な」


瑞穂達は約束をしてそれぞれ別れた。






有明達も仕事を終えた後に店に行く準備をする。

最初は嫌がっていた口之津はなぜかノリノリだ。


「小浜先生!店ってドコなんスか?!
酒飲めるんでしょーね?!
レストランとかそういうトコだったらしばきますよ!」

「わかってます。口之津先生をそんなとこに連れて行くわけないじゃないですか」

「どういう意味っスかそれ!」


口之津は酒が飲めればどうでもいいらしい。


「有明先生は車どーするんスか?!
置いていって明日か月曜、電車で来ます?!」

「え・・・いや、僕は飲みませんよ」

「えー?!親睦会で空気読めないとか先輩としてどーかと思いますー!!」


口之津がブーブーと大声で文句を言う。

小浜に助けを求めたが、その表情からはどうやら口之津と同意見らしい。


「・・・わかりました、わかりましたから。
・・・電車で帰ります。それでいいんでしょう?」

「っしゃーー!!」


『有明が呑む』というだけで喜ぶ口之津はどこか一瞬かわいく見えてしまった。


(馬鹿で手のかかる後輩程かわいい・・・ってやつなのかな)