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「親睦会ですか?」


『うん・・・今度の金曜になっちゃったんだ。
約束してたのにごめんね』



その日の夜、有明は瑞穂に電話で親睦会のことを伝えた。



「次の日休みだし、会えるんでしょ?大丈夫ですよ。
親睦会って楽しそうですね」

『・・・・・・俺はあんまり乗り気じゃないんだけど』

「あはは、有明先生こういうの好きじゃないですもんね」

『・・・・・・』


返事がないことに瑞穂は首をかしげる。


「先生?」



(瑞穂さんって妬いたりしないのかな・・・)


本当は少しだけ期待していたのかもしれない。
その分なんだか寂しい。

・・・・・・なんてことは言えず。


『いや・・・集まって飲んだりするのは嫌いじゃないんだけど、親しいわけじゃない人はね・・・』


「そうですよね。そうじゃないと加津佐さん達と付き合えないですもんね」


平和そうに笑う声。


(不必要な心配させることないか)



のん気な笑い声に有明はこっそり苦笑した。



『じゃあ土曜日は久々に出掛けよう』

「えっ!でも・・・」

『大丈夫だよ。少し遠いところに行こう』


瑞穂は嬉しくてつい口元が緩む。


「はい、楽しみにしてます」





電話が終わった直後、瑞穂は一件の受信メールに気づく。


「誰だろ・・・・・・あっ、有馬さんだ」




『送信者:有馬さん』

『金曜の夜開いてるー?
ウチバイト休みだから皆で遊ばない?』


なんともいいタイミング。


瑞穂はすぐにOKの返事を送信した。