──カチカチ

静かな空間に時計の音が聴こえてくる。


私は頬に手を当てたまま高崎くんを見ていた。


私と同じように顔が赤かった高崎くんは、フッと口元に笑みを見せた。



「上村は、好きな奴っている?」

「え……」


た、高崎くん?


…な、なに。なんで?

なんで…高崎くんは、そんなこと聞いてくるの…?


頭の中で疑問に思う。


隣にいる高崎くんは、目をそらさないでジッと見てくるから…。

そんな視線にたえられない私は、フイッと視線をそらしたくなってくる。



「なぁ、いる?いない?どっち」


その強い眼差しから逃れたかった私は…。