「──梨乃が好きだ」


そう耳元で囁いたあと、顔を傾けてきた高崎くんは、優しく唇に、キスをしてくれた。


私も静かに目をとじると、高崎くんの腰に腕を回した。


「……んんっ」


一回二回。
何度も唇が触れあった。



「ゆ、優斗くん……」


もう一度、唇がはなれたとき、高崎くんの名前を初めて呼んだ。



「ゆうと、く……」


ドキドキしながら、もう一回口にした。



「梨乃」

「んっ。ゆ、とく……」



優斗くん。
まだこの家で私が過ごす日々はたくさん残ってるから。


優斗くんと私のヒミツの日々は続いていくね。


そう。
パパとママが帰ってくるまでは、私が優斗くんの家に住んでいることは、絶対にヒミツ。




  ─END─