「梨乃……。ごめん。ゴメンな。嫌な思いさせて……」


──ビクッ


高崎くんの手が私の頭に触れて、ベットに座った感じがした。


「教室でのことは否定しない。梨乃が見たとおりだから」


その言葉にズキッと胸が痛む。



「けど、あれは俺の意思じゃないから」


……え。
どういう意味?

思わず顔を上げて高崎くんを見た。


「あの子には告白されたけど『好きな子がいる』って断った」

「……好きな、子?」


私が聞き返した言葉にフッて微笑んだ高崎くんは、頭を撫でてきた。