ピタッ…―――――

頬を両手で包まれ、顔を上に持ち上げられる。

そして、ラファエルは私をまっすぐと見据えて口を開く。




「ちゃんと君を見ているよイヴ」

「ッ…うそ……」


同じくらい傷ついたアメジストの瞳が私を映していた。

ラファエル様の言葉が本当ならいいのに。

本当なら心から喜べるのに。

そう思いながら、その言葉のすべてを否定した。

素直に受け入れるにはあまりに不安がありすぎて…



ラファエルの胸をグッと押し、距離を取る。

必然的に頬から温かな感覚が消えた。






「ラファエル様は私が“イヴ”に似ているからそう思うんでしょう?」


ラファエルが目を見張る。

問いかけの答えを待ってはだめ。

そう思って、気持ちが揺らぐ前に一気に捲し立てた。





「だから私に優しいんでしょう?だから私を傍に置いておきたいんでしょう?だから…」


「違う!」



ビクッ――――

強い否定の言葉に体が跳ね、思わずラファエルの胸に当てていた手を離す。