………コンコン。




「入ってもいいですか?」




ノックの後、母の声が聞こえた




「いいよ、母さん。」



私の返事が聞こえると驚いたように勢いよくドアが開いた




「陽向っ!!」


「心配かけてごめんね。」



入ってくるなり力強く抱きついてきた母の背中に手をまわした



「ほんとよ。澤村さんにも後で連絡しなさい。」


「わかっとるよ。」



母は私の様子を確認した後、先生を見た



「話はできましたか?」


「はい。どうやらお母さんの言う通りのようです。」


「そうですか。」


「なんよ、二人して。」


二人は顔を見合わせて笑っていた



「学校に連絡して来ますね。」


「よろしくお願いします。」



そう言って先生が出ていくとさっきまで先生が座っていたところに母が座った


「あそこの箱とか袋は澤村さんがあなたにって。」


「そうなんだ、いっぱいあるね。」


「母さんはまだあなたと先生のこと認められないから。」


「うん。」


「お医者さんよんでくるわ。」


母が出て行くのと入れ替わり先生が帰ってきた


「俺は明日から学校に戻るけど、夏川は今週いっぱいは休んでもいいとのことだ。」


「うん、私大丈夫かな?」


「辛くなったら言ってくれ。」


「ありがと。」


「あのね、母さんは反対だって…」


「賛成する親はいないって」


「だよね…。」