絶対に、入らせない。

「ちょっと、そんな怖い顔しないでよ。アンタの家にあがるだけでしょ?」

「何言ってるの?プライバシーの侵害」

「・・・は?」

南朋はイキナリ呆れたような顔つきで、私の台詞を鼻で笑った。


 小指心
  プライバシー


「ばっかじゃないの?たかが家に入るだけでプライバシーの侵害?失礼しちゃうね」

「とにかく、早く出てって。ていうか私の目の前から消えてっ」

私は強く南朋を睨みつけた。
そうすると相手も睨み返してきた。

「・・・嫌だね」

話が通じない、何人だよこの人って感じ。
もうなんだかイラつきすぎて、今私がなにしているのかも忘れそうだ。

「おい、南―――――」



「一馬はやっぱり梓の味方なのっ?」



当たり前じゃん。

「・・・」

沈黙が私達を通り過ぎた。


タッタッタッタッ


・・・足音、飛鳥だ。

「ちょ、どうし・・・!!」

飛鳥は私の隣に来て目の前を見た。
南朋を見た瞬間、固く凍りついた。

「あー!これが妹?可愛いじゃんっ」

「・・・誰」

南朋はそのままにやりと笑う。
それを睨む飛鳥。

こんな穏やかじゃない飛鳥は姉の私も初めてみた。

「ちょっと梓、教えてないの?はじめまして、南朋っていいます」

「っ・・・姉ちゃん、なんで」