「そう、うちに一馬くんが来る」

な、なにしにっ!?

「ぇ、てかなんで私達が別れたって知ってんの!?」

「このメール意味分かんないから電話して、その時聞いた」

「き、聞いたって・・・」


ハッ


私は部屋を見渡した。

「き、汚い・・・!!」

「姉ちゃん、なんだか面白そうだから部屋の片付けぐらいは手伝うよ?」

「姉ちゃん感謝感激っ!!!(笑顔)」

とりあえず邪魔で長い髪をお団子にした。
よしっ、なんだかやる気出てきたぁー!


―――――――――――


「飛鳥、それは引き出しの上に置いといて!」

「姉ちゃん、これどうすんの?」

「あっ!無くしたと思ってた服、こんなところにあったんだっ!!」

「私のメイク用具っ!!姉ちゃん、あったっ!!

部屋の掃除をしているはずが、いつのまにか模様替えという『部屋宝探し』ゲームに。
探しても探しても長年見つからなかったものが、お互い見つかった。

だいぶ・・・綺麗になってきたんじゃないの?

「なかなか良いじゃーん!」

「うん、綺麗!」



「・・・出来たっ!」

「おー、乙女ぇー!すごいよ飛鳥っ!!」

「光と影のマジシャン、飛鳥ですから」

「うわ、それうさん臭いな」

それにしても・・・こんな短時間で部屋が見違えるとは。
もしかして本当に『光と影のマジシャン』?

「さて、と。次はスタイリストだね」

「ぇ、誰がスタイリスト?」

「ん?私♪」

・・・ぇ、梓がスタイリスト?
ていうか、誰の?

「・・・私になにをする気だい?」

「ちょっとアレンジを」

「え、いやいやいやいやいやいや」

「否定しすぎ、私結構こういうのは得意なんだよ?」

そう言われても・・・
あ、でもそういえば飛鳥の髪型っていつも可愛い。
それにアイライン、上手く描けてる。

「じゃ、このお団子は取りましょ☆」

「んのおおおおおおおお!!!」