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「っえ、浮気してたのっ!!?」

「そんな・・・」

「だから笑えないっつったろ?」

「いや、確かに・・・じゃあ温厚なふりして本当は悪女だったと?!!」

「あぁ、俺がフッた後とか凄い悪女っぷりだったな・・・」

「え・・・で、どうなった?」

「で、南朋のクラスが隣だったから聞きに行ったんだよ」

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「南朋いるか」

俺は一人の女子に南朋を呼び出してもらった。
その女子ってのが—————梓。

梓は多分、この瞬間を憶えていないだろう。
だって、南朋が昔自分のクラスメイトだった事すら憶えていないんだから。

「あ、うんいるよ。南朋ちゃーん、彼氏さんが呼んでるよぞぉー」

止めてくれ、そういう風に俺を呼ぶの。
急に梓が遠い存在に感じる。

「・・・もう彼氏じゃねぇ」

俺は心の底から言った、梓は驚いた表情で俺の方を振り向いた。

「っえ?」

「・・・」

その驚いた表情も可愛くて、心臓がどくどくと高鳴った。

「どうしたの一馬?」

やっとお姫様のおでましだ。

「・・・昨日どこにいた?」

「え、家で友達と宿題してたけど」

「その、お友達っつーのは誰だ?」

「っぇ・・・ど、どうしたの?一馬、なんだか怖いよ・・・?」

怖い?そんなの知ったこっちゃねーよ。

「誰だ」

「・・・ぃ君」

「聞こえない、大きな声で」

俺は徹底的に南朋を追いつめた、梓は気を遣って自分の席に戻って行った。
さぁ、本性を出してもらおうじゃないか。

「・・・あぁもうしつこいなぁっ!!違うクラスの慶君っ!高校生で大人っぽくてイケメンのっ!!」

一体どこのどいつかは知らないが、はっきり言うよ。

「別れよう」

「・・・は?」