「て、天才・・・?俺はただ忘れ物とりに来ただけなんだけど」

「そのついでに数学の宿題、手伝ってくれない?梓、頭が固すぎて私には手の付けようがないからっ!!」

「ぇ、ちょ、オイ友達でしょっ!?」

「今は別、私も他に宿題あるし!」

「見捨てたあぁー?!!∑(0Д0;)」

「まぁ・・・俺が出来る事なら手伝ってやるよ」


多分きっとこの頃から無意識に一馬が好きだったんだと思う。


「ありがとう内藤くんっ」

「でも、椎名、交換条件だけど良い?」

「は?交換条件?私かなり急ぎ気味なんだけど」

「大丈夫、手間はとらせないよ」

「で、交換条件って?」

そう、この言葉は私の胸を貫いた。


「―――――・・・信条梓さん、俺と付き合って下さい」


―――――――――――

もちろんあの後は無事宿題を終わらせて私は一馬と一緒に帰りました。
あれは本当に嬉しかった、まさか私が好きだとは思わなかったしね。

「梓、家着いたよ」

「あ、ホントだ。さんきゅー、また明日ねっ」

私はドアを開け―――――

「あ、ちょっと待って」

グイ

「ぅわっ」

な、なんだなんだ。

「ココ」

「・・・へ?」

「だからココ」

一馬は唇に指を当てていた。