あーもー、超眠い。

「マリオが負けたっ!!?」

「主人公だからってワリオには勝てませんよー?行けっ!!」

♪ペペペッペペペッペ

「ちょ・・・そろそろ寝よーよみんな・・・」

「これが終わったらっ!!」

そう言ってもう2時間は経ってると思うんですが。
あ、もしかしてベッドは同じなわけ?


 小指心
  過去と夢


只今、回り回って夜中の2時。
こんなに夜更かししたのって合宿の消灯時間のとき友達と恋バナしてた以来だよ・・・

「じゃあ私、先に寝てるからねぇー・・・」

二人がゲームしている間、何百回あくびをしただろうか。
最初は私も飛鳥と変わりばんこでマリオブラザーズを楽しんでいたんだけど・・・だんだん疲れてきたのが状況。頑張ってコーヒーやら飲んで眠気を起こそうを思ったんだけど、カフェインすら闘う気力を失ったらしい。

「え、じゃあ俺も寝るっ。飛鳥ちゃん、続きはまた明日ねっ」

「はーい」

私はもうベッドの中、夢うつつ。

―――――私はどこかの家の廊下に座っていて、目の前には高くそびえ立つコンクリートで出来た塀。ただじっと見つめていた。

イキナリその塀は私ぐらいの高さになって、どこからともなく真っ黒な猫が塀の上に立っていた。
その猫はずっと私を見ていて、凛々しく座ったり歩いたりする。

普通の黒猫とは違っていて、胴体に太く赤いリボンでぐるぐる適当に巻かれていた。
前足のところで可愛い蝶々結びにされていた、私はそれをただただ見つめている。
そして猫も私を見つめる。

その状況と光景がどうも懐かしい感じがした、別に過去でこんなことが起ったわけでもないのに・・・


「・・・梓」


バッ

「んな、な、な、な・・・!?」

イキナリの事に夢なのか現実なのか一瞬迷ってしまった。

「あ、起きちゃった?」

「き、急に耳元で自分の名前を甘く囁かれたら誰だって起きるわ・・・!!」

ドクドクドクドク

「あー・・・もうマジでびっくりしたぁ・・・」

私はベッドに力なく倒れた。
あー、やっぱり同じベッドなのかー。

「眠いのに寝れなくなっちゃったじゃないかぁ・・・」