「はぁ・・・はぁ・・・」

無限に走って、ていうか走りすぎて。
なぜか分からず裏庭に来ていた。

「あ、ぁれ?」

ば、馬鹿だ・・・

なに勝手に様乃残して裏庭来ちゃってんの?
つーかなんで裏庭?

私どんだけ無心で走ってたの?

「あっははは・・・」

こういう事、私って良くあるなー・・・

この前もスーパーで買い出ししてたら、いつのまにか五階とかに行ってたもん。
何しにいったんだろう・・・

「ていうか様乃!」

ヤバい、絶対に様乃怒ってる。
早く帰らなきゃ。

私はまた全力疾走で校門まで走った。

「・・・ん?」

なんか、誰かいる?

ていうか下校時間に裏庭でなにしてんだ?
私はその人の近くに行った。

「あのー・・・?こんなところで何して―――――」

その黒髪の人は振り向いた。



「え?」



「ぇ」

・・・一馬じゃん。

「ぇ、なに梓?」

「ぇ、あ、うん梓で・・・す」

ていうかココでなにしてんの?
私は一馬に聞こうとした。

その前に一馬が沈黙を破った。

「あ、のさ」

「え?」

「ちょっと話があんだけど」

きた。
この空気、久々にきた。

「なに?」

私は何も無かったかのように返事をした。
出来る限りの最高の笑顔を見せて。

「・・・俺、」