あの人のところまで、息を切らして走る。
距離は縮まって、嗚呼、とうとうここまで来たんだな。

「梓っ!!待って!俺は・・・」

一馬が私を止める。
強く強く、私と近くにいたそうな顔で。

「一馬・・・」

つなぎ止めたい人がいるから、運命を引きちぎりたくなるんだ。
逆らって、君との時を歩みたいから。

「俺は・・・!!」

世界を、止めたいから。


 小指心
  告白の時


あー、ヤバい。

「梓、帰るよー?」

本当にどうしよう。

「あ、そっか」

本気でどうしよう。



「梓これからが本番だもんね」



「それを言うなよっ!!(泣)」

「ぇ、だってそうでしょ?」

「いや、そうなんだけどさぁっ?!?!(必死)」

コチトラ緊張しすぎて心臓が破裂しそうなんだよっ!!
そりゃアンタは帰宅部だけどよぉっ!!

「アンタ・・・見るに耐えない表情してるよ?はいカバン」

「っるさぁあい!!(恥)」

私はカバンを勢い良く様乃から奪った。
でも勢い良すぎて手が様乃の爪に当たった。

「痛っ・・・!!(半泣き)」

「人の親切を・・・(爪キラリ)」

「ごめんっ!!(号泣)」

今にも様乃は私の顔に引っ掻きそうな勢いだ。
後ろのどす黒い殺気が恐ろしく怖い。

「怖い怖い怖いっ!!(逃)」

「ぁ、テメ逃げてんじゃねぇっ!!(怒)」

「ぎゃあああっ!!!」

私は全力疾走で外まで逃げた。
あ、行き過ぎたかな・・・(汗)

「はぁ・・・はぁ・・・」

はぁー、空気美味しーい。
私は思いっきり沢山の空気を吸った。

「スー・・・ハー・・・」

あー走った。