♪ループの声が聞こえるかぎり
 手を繋ごう 見えるから
 
 あの虹越えて・・・


一つ一つ、楽器が止まっていく。

苦いギター、柔いピアノ、緩いドラム。



・・・甘い声。



「・・・」

―――終わった。

「はぁ〜・・・」

私はイヤホンを取り様乃に渡した。
あ、雨止んでる。

「様乃、雨止んでる」

「ホントだ」

「ていうか虹っ」

指を指すと、様乃は傘をたたんで空を見上げた。

「・・・キレー」

「今のルル花の曲と合ってたよね」

「でしょ?」

「うん・・・」





   二人で見上げる空は、

   とても、

   それはそれは美しく輝いていて、

   初めて流した涙の様に、

   煌めいていた。





「「はぁ・・・」」

その光景に私達はため息しか出なくて、
その場で立ち止まってしまった。

「マジ綺麗」

「ぁ、写真とろっ」

「携帯携帯・・・」

私達はこの記憶を止めておきたくて、写真に残す事にした。

「あ〜、上手くとれないっ」

「嘘ぉ、うちのめっちゃ綺麗に撮れてるよ」

「みしてみして」