そういうと飛鳥は可愛く走っていった。

「・・・」

まだ生まれたばかりの小鳥みたい。
今から飛ぶ練習をする感じ。
飛鳥もこういうふうに旅立っていくのかなぁ?

あ、今うちの親の気持ちが分かった。

すっげー悲しい。

「私も頑張ろう」

飛鳥を見てると元気付けられる。
我ながら良い妹をもったもんだ、つい笑顔になってしまう。

なんでも出来そうな気がする。

―――――――――――


バタン


「ふー」

私はカバンをベッドに投げる。
なんかストレスが溜まってる、学生だからね。

クローゼットを勢い良く開けて一番のお気に入りのワンピースを取り出した。

大好きな音楽を流して、今までに無いほどのやる気を出す。

「さーやるぞー」



プルルルルッ



「!」

急に携帯が鳴り出した。

「(びっくりしたーぁ・・・)」

画面を見ると蓮くんからの電話だ。
・・・私は通話ボタンを強く押す、緊張してきた。

「もしもし」

『ぁ、梓ちゃん』

「どしたの?」

内心ドッキドキだ。
蓮くんと話すと手が震える、私はこれを『小山シンドローム』と名付けた(最悪のネーミングセンス)。

『あのさ、ちょっと大事な話なんだけど』

「うん」

ヤッベ、全部ネガティブな方向で考えてしまう。

この癖ホントに心拍数を無駄に上げる。
大丈夫、ポジティブに考えろっ。