『ていうか』

「?」

『梓、様子がおかしくない?声が微妙に震えてるよ』

「っ!!」

『なんか隠してる?』

・・・様乃、私まだなにも言ってないけど。

まぁ、言ってないことはあるっちゃありますよ。
長年の付き合いだし、そんなことは分かってるだろうけどね。

「バレた?」

『あぁ、一馬が蓮の胸ぐら掴んでケンカしそうになったって事?』

「ぇえ、なにそれっ?!!??!∑(゚Д゚#)」

なにそれ、え、ぇえっ?!!
私が隠していたのは全然、てか全くケンカとは関係ないんですが!!

「ちょ、それ知らないっ!!」

『えぇ?知らない?』

「ていうか、いつっ?!」

『今日、アンタが道場から走って行って後から』

「ぇ、なに?アンタ帰ったじゃんっ!!」

なんだか嫌な予感してきたよ?

『別に、私着替えてただけだし。帰ってないよ』

「うそおぉっ??!!」

『本当ぉおお』

ぇ、ちょ、でも着替えてるのになんでそんなこと知って―――――

『着替えた後にこっそりケンカの一部始終、見ちゃった☆』

「ぇええぇ・・・(絶望)」

もう、なんか本当に『だから語尾に☆をつけるな』とか言いたいけど・・・
言いたいけど・・・!!!(苛つき絶好調)

『ホントは教えないつもりだったんだけど、梓が知ってると思って言っちゃった』

いや、むしろそこは言ってもらって良かったです・・・

ていうかなんのケンカ?

「つかなんでケンカしてんの」

『さーねー、そこまで私も聞こえなかった』

・・・なーんか怪しいなコイツ。

『ぇ、でも梓が隠してることってなに』

「っ!!」

あ、しまった。
そっちをまだ言っていなかった。