「だって二人とも、うちの生徒より強いし。二人が出たら全国制覇も夢じゃないよ」

ぇ、そこまで強いのっ?!!

「もちろん、私よりは弱いけど」

「ナルシストめ」

「ぜーんぜん」

様乃は誤魔化しに口笛を吹いた。
二人の方を見ると・・・

あー、やっぱり納得いってないみたい。

「引き分けって・・・」

「ぇ、じゃあ梓の件は?」

一馬は様乃に聞いた。

「そんなの、自分たちで勝手に決めればー?別に私、関係ないし」

「様乃っ!?」

様乃は道場の扉の方まで歩いていって。

「だって、私二人の戦いが見たくて言っただけだし。その後は頑張ってー」

「ちょ・・・」



ガラガラ



「・・・」

様乃は笑顔で道場から出て行った。

「えぇっとー・・・」

「梓」

「はいっ?!!!」

急に自分の名前を呼ばれて驚いたっ!
私は一馬の方に振り向いた。





「・・・俺とやり直せねぇ?」





「・・・ぇ」

え、なに。

今私、なんて言われたの?
聞き間違い?