その笑顔が、私には笑顔に見えなくて。

「もう・・・嫌われ者だよ」

「え?」

昔から、奈留と出会う前から。
私はみんなののけ者、ひとりぼっちだったんだ。




「もう・・・奈留に嫌われちゃった・・・っ!!」



「南朋っ・・・」

私はなにを考えているんだろう。

梓に酷い思い、一馬と引き裂いたりした罰だ。
蓮と付き合わなければ、こんなことには。

ならなかったはず、なのに・・・!

「南朋、違うっ。私、南朋のこと嫌うになるわけないじゃんっ!!!」

「いいの、気にしないでっ。どうせ私、一人の方が合うから・・・」

これ以上、奈留を傷つけたくない。
そんな想い、私にはもうなくなっていたのかと思っていた。

始めて、本当に大切な人が出来た。

それを、またこんな風にねじ伏せるなんて。

「ごめんね、ごめんね奈留っ・・・!」

「南朋っ!私は南朋の親友でしょ?そんなの良いの、気にしないでっ!!」

涙が心を潤すなんて、そんなことない。

むしろ、私を枯らしてゆく。





「恋よりっ・・・私は南朋だからっ!!!」





「奈留っ・・・」

愛されたくて、私はわがままばかり言って来た。
みんな私の言うことばかりついてきて、私自身にはついてこなかった。

でも奈留は違った。

「南朋・・・!」



『親友』って、心から言ってくれたんだ。