『ちょっとなにあれ』

『マジうざ、なに登校ごときで手ぇ繋いでんの?』

『私達、新婚なんですぅ〜。みたいなっ?(笑)』

『てゆーか小山くんから離れろっつーの、見ててうぜーんだよ』

『言えてるぅ〜』

「・・・(苦笑い)」



め、目が・・・
まるで獲物を見つけたライオンの様なまなざしがぁぁぁぁあああっ・・・!!!!!

つか、こんなんで平和な『お試し関係』なぁんて築けるのかっ?!!
初日から要らんライバルばっか増やしてるだけだと思うんですけどっ!!(恐怖)

そういうのだけは勘弁してくれよぅっ!!(震えが止まらない)



「あれ、梓ちゃん震えてるよ」

「ぇ、あ、うん・・・(汗大量分泌中)」

「大丈夫?このまま保健室に行こうか?」

「いや、そのうち止まると思うから・・・気にしな、い、でええええぇぇっ!?!?///」

今度は恋人繋ぎから腕を私の肩にまわした。
ちょっと、この人どないしたんですかいなっ?!!!!(思考のコントロール停止)

「何言ってんの、今日から梓ちゃんは僕の『彼女』なんだから。ちゃんと『彼氏』の言うことは聞きなよ?」

「・・・はぃ(苦笑い)」

これが『彼氏彼女』というものなのかは、私も良く分からない。

「ぁ、おい一馬。あれ、お前の『元カノ』じゃね?」

「?どこだよ」

「ほら、小山と歩いてんじゃん」



「・・・っ?!!」



「ちょ、蓮くん・・・本当に大丈夫だから、ね、ここでは離して?」

「んー、もうちょっとだけ」

「っ!?(ショック)」

ちょ、本当にこの人、あの優しくて礼儀正しい『小山・蓮』くん・・・?
腹黒にもほどがあるんだけど・・・

私はなるべく蓮くんと目を合わせないよう、違う方を向いた。

「・・・っ!!」