校門の前、周りにいる顔見知りの生徒達がある二人を見ていた。

「ね、ねぇ蓮くん」

「ん?」

「みんな・・・見てるんだけど」

「そうだねぇ」

「いや、じゃなくて・・・」

「ん?」

「恋人繋ぎで登校って、違くない・・・?」


 小指心
  お試し関係


それは昨日のこと。

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「ぇ、それってオッケーってこと?」

「いや、違うんだけど」

蓮くんは途端にしょんぼりしてしまった。
背中に背後霊が見えそうなくらい暗くなってしまった。

「じゃなくて、一週間だけ付き合ってみるの」

「・・・?」

「一週間、私と彼氏彼女感覚で付き合ってみて私が蓮くんを好きになったら本当の彼氏として迎え入れます」

「それ、本当っ?」

「そのかわり、一週間経っても私が蓮くんに好意をもたなかった場合は」

私は腕で×マークを作った。

「なるほどね・・・」

「そしたらさっきから蓮くんが言ってた『償い』と『答え』ってのがこれでおぎなえるでしょ」

「あっ、そういうこと。で、梓ちゃんはそれで良いの?」

「ん〜・・・最初は私も迷ったんだけど、『男に二言はない』からね」

「あ、梓ちゃんどうみても女の子・・・」

「では」

私は右手を蓮くんに差し出した。

「・・・うん、精一杯頑張りますっ」

そして、蓮くんは私の右手を受け取った。

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でも。

「さすがにお試し初日で恋人繋ぎって・・・(恥)」

直視すら出来ねえぇぇぇ・・・!!!

「・・・しかも」