「うん、あそこそんなに規則が厳しいわけでもないから」

「だよね」

私もだんだん笑顔になってきて場も和やかになってきた。
あぁ・・・昔と同じだなぁって、すごく懐かしくなる。

「そういえばね、梓ちゃんにお土産があるんだ」

「え、なになに?」

「ちょっと待ってて、今持ってくるから」

私は期待に胸を膨らませていた、なんだろなんだろー。
てか、さっきまでの緊張は一体なんだったのだろうか。

幻の様に消えていった。

「はい、コレ」

手渡されたのは小さな紙袋、中には硬いものが。



ガサゴソ



「あ・・・キレー、カッコイイ!」

藍色と黒のビーズで出来たブレスレット、ゴムだから引っぱっても大丈夫みたい。
幅は結構、太く私好みだったから嬉しい。

「蓮くんって本当に私の好きなもの、良く知ってるよね」

「昔からの幼なじみだからね」

私は携帯を開いた、時刻は6:30、もうすぐお母さん達が帰ってくるはずだ。

「もうすぐ親が帰ってくるからもう行かなきゃ」

「あ、隣だし送るよ」

「あー・・・じゃあそうしてもらおうかな」



ガチャ



「梓ちゃん」

「ん?」

「帰っても良いけど、ちょっとそこらへん散歩しない?」

「え、良いよ」

「ありがとう」

そういや、昔も学校の帰りにこうして蓮くんと一緒に散歩したなぁ・・・
手、繋いで。
そこの公園でいっぱい遊んだ記憶がぱっと出てきた。

私達はゆっくりアスファルトの上を歩いた。
時間が止まっている様に感じる、ずっと頭の中は昔の記憶ばかり。

「あ、ココの公園」

「なつかしい~、いっつもココで遊んでたよね!」

日が落ちるまでずっとすべりだい遊んでたなぁ・・・

「二人で一緒にすべりだいで遊んでたよね」

「ずっ・・・とね」

「楽しかった」

そんな他愛のない話をしながらブランコに乗って揺らしていた。