ドッドッドッドッドッド

血圧がどんどん上がっているのが分かる、心臓の音が耳鳴りみたいだ。

「久しぶりだね」

顔が見れない。

「ホント・・・久しぶり」

・・・かっこ良過ぎる。

「なんか、梓ちゃん見違えるね。すっごく綺麗」

「・・・ありがと」

その笑顔、何年ぶりだろう。
いつも私だけのものにしたくて、大好きで大好きで。

「髪、伸ばしてたの?」

「え、あ、そうそう。今度切ろうかなーなんてっ」

ドキドキしすぎて話が繋がらない、髪切る予定なんてホントはないのに。

「そうなんだ・・・髪長い方が可愛いのに」

バクンッ!

「え、ぁ・・・あ!ちょっと化粧室かしてもらえる?」

「うん、そこ歩いて右ね」

「あ、ありがとっ!」

スタスタスタスタ



バタンッ



「もうムリムリムリムリ、絶対無理」

私はその場でしゃがんでしまった、頭の中はグルグル。
なんか・・・ダメ、惚れ直しそうになった。

相変わらず笑顔は素敵で、髪は綺麗に整っていて、目は子供の様にキラキラしていた。
私より一つ年上なのに・・・私より子供にみえて可愛かった。



ドッドッドッドッドッド



「飛鳥に迎えに来てもらおうかな・・・」


プルルルルルプルルルルル


だ、誰・・・?
私は携帯を開けた、壁紙は・・・昔の私と蓮くん。