ガシッ


「ぅわっ!蓮くんっ?!」

「・・・梓ちゃん」


ドクンッ


な、なんだろう。
胸がなぜか高鳴った、しかも急に呼吸が・・・



「僕、梓ちゃんが好きみたいなんだ」



「・・・っ!!」

バッ

私は蓮くんの手をまた強く振り払った、そしてその場から―――――逃げた。
どうしたら良いのか分からなくて、とにかく走ることだけに集中した。

手には汗、私は靴を上履きから素早くローファーに履き替えた。

学校から出て、走って走って走って。
息のことなんて考えてもいなかった。


・・・蓮くんっ・・・!!


―――――――――――


「・・・」

あぁ、僕は一体なにを言っているんだ。
本当、これじゃあただの馬鹿じゃないか・・・

しかも梓ちゃんに思いっきり怖がられて・・・

「はぁ・・・」

僕はカバンを持って靴を履き替えに行く事にした。
梓ちゃんにはしばらく会えないだろうな・・・

ローファーに履き替えて、僕は学校の最後のドアを押した。



「小山くん」



っ?!!

「そんなに驚かないで、南朋だから」

「なっ・・・」