それからというもの、蓮くんの素晴らしい指摘により私の赤点だらけのテストは見事に正解だらけのテストに変わっていった。

「にょー、終わったー・・・」

「うん、完璧。これで先生に渡せるよ」

「渡すのは明日だよね?」

「うん」

よし、これなら鬼先もまた涙流して宿題一週間は無しだね。
ていうか、この頃いやに鬼先私に優しいんだよね。

食べかけのお菓子くれたり(もちろん食べなかった)、体育の授業はみんな5周で私は3周とか。
こ、これってエコヒイキだと思うんだけど・・・

ま、いっか。

「じゃ、そろそろ帰ろっか!」

私はやけに重いカバンを肩にかけ、ドアの方に向かって行った。



ガシッ



「・・・え」

ちょ、蓮くん?

「え、蓮くんどうしたの?」

蓮くんは私の腕を掴んでいて、真剣に私を見つめている。
ぇ、一体どうしたんだ。

なんか顔に付いてんのかな?

「・・・梓ちゃ―――――



ガラッ



え?

「・・・アンタ達、なにしてんの?」

「南朋っ!」

私は蓮くんの手を離した。
なんだか鼓動が落ち着かない、南朋は私を偏見の目で見ている。


バンッ


南朋は怒りの表情と共に走って行ってしまった。


「え、ちょっと南―――――」