様乃は南朋を殺せない代りに自分の指を思いっきり鳴らしている。
首、肩、腰、ひじ、足…

「ちょ、ボキボキ怖いから止めて」

「えー、南朋をしばけなかった憂さ晴らしなのにー」

「良いんだけど、さすがに体中でやってもらうのは…ちょっと…(恐怖)」

私すら指だけで精一杯なのに。
あ、コイツあごまで鳴らしよった。

「ギネスに挑戦中かよ」

「お、だんだんツッコミが激しくなってきたね?」

「当たり前じゃ、そんな人前で体全身をボキボキボキボキ鳴らされてたまるかっ」

アニメの効果音なみ、その音の凄さといったら。
一応、離れてるはずなのに私の耳もとで聞こえてるみたい。

「ていうか、飛鳥ちゃん凄いね。元ヤン?」

「違うから」

「えー、そういう設定だったら面白かったのに」

「勝手に私の家族をいじろうとするな」

「はい、チャイナちゃんの出来あがりー」

…指を鳴らしていたわりには、結構上手くできていた。

んー、なんでみんな(女子)は髪をアレンジするのが上手いのに。
なーんで私だけ、こう…不器用で下手くそなんだろう。

そういうところに嫉妬するよ。

「良いなー、みんな髪いじるのが上手で」

「アンタ下手だもんね」

「そのまま言うなよっ!」

昨日の飛鳥がしてくれた可愛いみつあみ。
上品にみえるような服。

…あの髪、どうやってやるのかなぁ?

「ねぇ様乃」

「んー?」

「昨日、飛鳥が私に可愛いみつあみしてくれたんだけど…」

言葉じゃ分からないと思い、私は出来るだけ上手く昨日の髪型を作ってみた。
ていうか、みつあみって意外と難しいな…

「うっわ、なにそれ」

「みつあみ」

「ピカソの絵?」

…悪かったねっ!!(ピカソに失礼)

「しょうがないじゃんっ!!様乃、私が下手って知ってるでしょっ!」

「知ってるけど…まさかここまで重傷だとは」

「やるかっ?!(怒)」