海斗は腕いっぱいに抱えながら階段を駆け上がっていた。
(早くしないと予鈴が鳴っちゃう・・・)
もともと時間ぎりぎりを狙っての
登校だったので健二達から逃げるときに
走った時間分しか余裕がなかったので時間はギリギリだった。
ようやく教室の前に立ったときには
海斗の息は上がっていた。
(まっ・・・間に合った)
海斗が扉を開けると健二達がクラスの
後ろのほうでたむろっていた。
「かっ、買ってきました・・・」
健二達が海斗を睨んだ。
「てめぇおせえじゃねえかよ」
健二が海斗に近寄ってくる。
海斗は反射のように手で前を隠し
「ご・・・ごめんなさい」と、
謝っていた。
健二はチッ、と舌打ちを打って海斗の持っている
食物を奪い取るように取った