コーヘー…


昨日もそう呼んだ覚えがある。


何度も、何度も呼んだような気がする。


膝から崩れ落ちた私に視線を合わせるように、コーヘーが上から私を覆うように屈み込んで来た。


私を覆う黒くて大きな影は、


いつの間にか逞しくなった男のものだ、


今はもう、完全に大人の男になったコーヘーの影だ。


昔から無愛想で身勝手で横柄なヤツだったけれど、


だけど、いつだってコーヘーだけが、最後まで私の事を見捨てなかった。


死ぬ程口は悪いけど、いつだって私を気にかけてくれていた。


まぁでも…


その気にかけ方がムカつくんだけどもね!


今だって身勝手野郎には変わりはないんだけど…


だけど…


どんなに冷血ヤローでも、いつだってコーヘーの手は温かかった。


ただ…


こんな時でも温かいなんてムカつくんだけどもね!