コーヘーに抱かれたという、その事実が、
私の頬に触れるコーヘーの手から伝わる熱でじわじわと実感が沸いて来る。
みるみるうちに赤くなる私を、コーヘーは一体どう思っているだろうか。
またバカな女だと思うのだろうか。
コーヘーの視線が怖くて、思わず顔を逸らす私に、
コーヘーは耳元で甘く低い声でゆっくりと…
『カナ…』
と囁いた。
その、首筋に伝わる熱い吐息を、私は確かに感じた事がある。
甘く低く囁く声には聞き覚えがある。
認めたくはないけれど、確かに覚えがあるのだ。
『認めろよ、オレが責任取ってやる。』
耳元に今にも触れそうに囁やかれて、
もう立って居られない程に熱く震えた私は、膝からガクリと崩れ落ちた。