「ヒック…ヒック、アンタなんか…ヒック、好きじゃない。」
好きなワケ無いじゃない。
こんなに身も心も追い詰められて、
私を苦しめるコーヘーの事なんか少しも好きじゃない。
『認めろよ、カナはオレが好きだろう?』
頬を挟む手で顔を上げさせられて、
涙で滲んだ目の前には、珍しく真っ直ぐなコーヘーの瞳。
「ヒック…好きじゃな……」
『ウソつけ。』
「ウソじゃな…ヒック、コーヘーなんか好きじゃな……」
『じゃあ何で、何でさっき怒らなかった。』
は!?
怒ったわよ!
怒ってんじゃないのよ、今こうして!
「怒ったも……」
『違げぇだろ、最初に抱いたって言った時、カナは抱かれた事よりも避妊したかどうかを怒ってた。』
え……、
だって、そりゃ普通ソッチを気にするでしょう?
「そんなの当たり前でしょう!」
妊娠でもしたらどうするのよっ!!アンタに責任取れんのかよ!!