コーヘーの男の視線に気圧されて、足が後ろへと後ずさる。
『決まってんだろ？』
一歩一歩後退する私を、じりじりと追い詰めるコーヘーは、まるで獲物を狙う捕食者のようだ。
それは、まるで弱った獲物をいたぶるような。
「ヤだ……」
珍しく私らしくない弱々しい声に、自分自身が情けなくなる。
コ、コーヘーなんかにビビってどうすんのよ。
コイツはどうせ私をからかって弄って遊んでるだけなんだから、いつもみたいに文句を言ってやればいいのよ…
なのに…
私を追い詰めるようなコーヘーの強い視線に気圧されて、
なぜだかそれ以上言葉を発する事ができなかった。
