タロー君、優しい笑顔で毒を吐くのは止めておくれ!
「クソつまんなくてゴメンね!」
タローちゃん、コーヘーとはまた違った意味で怖いぞ!
もうヤケクソで謝るしかない私に、タロちゃんは相変わらず人の良さそうな笑顔で言った。
「とっととくっついてくれて良かったよ、オレも女友達から兄貴を紹介しろってうるさく言われててさ。これからは兄貴彼女いるからってハッキリ断れるし。ウザい問題が1つ片付いて本当に良かったよ。」
タローちゃん…
ウザかったんだ!!
ウザい幼なじみでごめんね!?
ウザなじみでゴメンね!
そんな話をしている間も、笑顔を少しも崩さないタロー君が少し怖い…
怖いぞ!タロちゃん。
「色々ごめんね?」
謝りっぱなしな私に、
「いいんだよ、オレもカナちゃんが兄貴の彼女になってくれて本当に嬉しいし。」
そう言って笑うタロー君は、
ずっと昔から変わらない優しい笑顔を湛えていた。