「朝陽・・・・?」

「やっぱなちには勝てねえわあ・・・・・!!!」

「・・・・・・?」

はぁ~っと息を1息吐いて、
朝陽は真剣な眼差しで私を見つめた。

「俺さ・・・引っ越すんだ。」

「--え?」

思いもよらない言葉に私は戸惑いを隠せない。

「近いとこにだよね?
 学校も普通に通うよね?
 ねえ・・・・・
 会えるよね・・・?」

朝陽の様子では私の言ったことが実現できないはず。
そんなに知ってた。
私だって気づいた。
でも、現実になってほしくなかった。
朝陽の口から聞きたくなかった。

「ここは北海道、
 俺が住む新しい街は、横浜。」

「なんで・・・?
 なんで急にそんなこと言うの?
 理由は?」

「親父の転勤だよ。」

「じゃあなんで?
 朝陽はもう高校生なんだから、
 ついて行かなくてもいいんじゃないの?」

どうして、私を選んでくれないの?

「言ったよ。
 俺だって・・・・・」