真琴が言いかけた時だった。

「ご主人様?」

突然二人の会話に割り込んできた、鈴のような声。

黎児と真琴は振り向く。

…そこには、メイドが立っていた。

他に何と形容すればいいのかというくらいに、メイド丸出しだった。

フリルまみれのミニスカートのエプロンドレス、巨乳、ニーソックスを穿いている為に絶対領域完備、シルバーフレームの眼鏡が知的さを醸し出す、いわゆる『眼鏡っ子』のメイド。

某クラスメイトのメタボオタク曰く、『萌え要素は過剰に盛り込んでしまうとお互いの長所を殺してしまう』らしいのだが、このメイドにいたってはそれぞれの素材の旨味を引き立て合い、えもいわれぬハーモニーとなって極上の萌えを奏でている。

まさしく萌えの化身。

黎児好みドストライクの萌えだった。