「いえ、涼子が
来るんです。
寝てなんていられません」

と、微動だにせずに
答えた。

三波は
「そうだな。息子さんが亡くなって
呑気に寝てる
奴もいないか。
…いや、済まなかったな」
と言った。

そして、涼子が来るのをひたすらに
待った。

「全てを、語って貰おう」

と、三波は大きく息を吸って
語りかけた。