(確か…署がこの名前なら、ここは、県庁所在地か…)

と、やや圧巻した部分が自己を襲っていた。

「少し訳あってな、ここに呼ばれたって訳だ」
三波は、低い声でそう告げた。

「あの無線…ですか?」
確かに、あの一件の時
無線がひっきりなしには鳴っていた。

「そうだ。
まぁ、思わしくは無いな…」
と続けた。

二人の警官に両肩を担がれる形になり、一本ずつ死刑台に上る。

口の中は、鉄の味で満たされていた。

それに…城山 卓は、ただ黙って耐えていた。