「はい…私で良ければ…」
と言って、涼子は
証言台へと向かう。

それを見て、自分の判断で被告人席に
舞い戻った。


「考える時間、要りますか?」
と、綿貫裁判長が語りかける。

「いえ、大丈夫…ですから」

こんな場所に立たせてしまう
事に、申し訳無さが込み上げて来る。