あり得ない…。さすがうちの母…。って感心してる場合じゃない!

「あの~、櫻木さん」

「ん?ああ、信也でいいよ。俺も結衣って呼ぶから。」

 いきなりですか、でもさすがに呼び捨ては失礼だよね。信也さん次期社長だし。

「はぁ…、あの信也さん、冗談抜きで、わたしここに住むんですか?」

「ああ、そうらしいな。まっ気楽に住めばいいよ。じゃ、俺約束あるから。」

「はっ!?さっきわからないことはわたしに聞いてくださいっていってたじゃないですか!?」

「そんな昔にいったことなんて、覚えてね~。それに困ったことがあったら、そこらへんにいる執事に聞けばいいから!んじゃ、俺行くから!じゃーな♪」

そういって、彼はスタスタといってしまった。わたしは、ただ呆然と立ち尽くすしかなかった。