「結衣!?…まだ入って無かったの!?」

 しばらくして、まだ良い方法が見つからなく、屋敷の前でウロウロ歩いていた私に驚いた顔で信也君がそういった。

「だって、どうやって入ればいいのか分かんなくて…。」

「…普通にチャイム押して、門開けてもらえばよかったのに。」

「え!?でも入れてくれるかなぁ...不審者と間違えられて警察呼ばれたりしたら...」

「はぁ!?そんなことあるわけないじゃん。っていうか、親父に一緒に住むの許可もらったんだろ?」

「そっか!あはは~、その事すっかり忘れてたよ...、ありがと、信也くん♪」

私は、ニコニコしながらそういった。

…あれ?いま信也顔そむけなかった??

わたしなんかしたっけ…?