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気分を切り替えた俺は、放課後何をしようか迷った。
一人でゲーセンいくのは寂しいヤツだし、家に帰ったって暇だ。
結果、こんな時はあそこに行くのが一番だと思い、放課後になってすぐに教室を出た。
渡り廊下を渡って、人通りの少ない道へと走っていく。
その道をさらに走っていくと、目的地に近付いた。
俺はいったん立ち止まって辺りを見回す。
よし、誰もいないな。
その扉は物置部屋や空き教室が立ち並ぶ廊下の端にある。
それは屋上へと続く階段の入り口だ。
木製で古びていて、この先が屋上だなんてとても思えない。
立ち入り禁止と張り紙もされている。
屋上は使用禁止だから、行くところを誰かに見られては厄介だ。
俺は周囲を警戒しながらその扉を開けると、先にある階段を上っていく。
毎度のことながら暗いし埃くさい。
カビとかも生えてそうだ。
さっきまでの乾燥した空気が嘘のように、ここだけジメジメしている。
きっと長年掃除していないんだろう。
吸ってるだけでどっか悪くなっちまいそうだ。