〈Vol.8〈初期段階~探る女~〉〉



はるかにキツイことを言われ、いっちーにも嫌味くさいことを言われ、
かなり落ち込んでいた私。聡も、最初は面白がっているようだった。準平は……何も喋っていなかった。煙草ばっかり吸っていたイメージがある。
どうしてあの時、準平は何も喋らなかったのだろう……。

♪♪♪……

……!!!

携帯が鳴り慌ててディスプレイを見る。
聡だった。

「はい。もしもし……」

「聡です」

「はい……」

「今、少し喋っても大丈夫?」

「はい」

「あ……、さっきはごめんね。せっかく楽屋に来てくれたのに不快な思いさせちゃって……」

「いえ、大丈夫です」

「本当に大丈夫? 怒ってない?」

「……はい。怒ってないです」

「無理しないで」

……。

「朝比奈さんを、傷つけるつもりはなかった。それだけは信じて」

聡が必死になっているのが伝わってくる。

「もう、いいです。私、もう二度と楽屋には行きません」