〈Vol.7〈会いたくて、恋しくて〉〉
私は、生まれも育ちも北海道で、
高校卒業と同時に東京に出てきた。
梅雨のない北海道での生活に慣れていたから、はじめて経験した梅雨の時期は、私にとってかなりキツイものだった。そんな梅雨も明け、本格的な夏がはじまる頃――
恋がはじまった。
………………
私の毎日の生活は相変わらずだ。家と職場を往復するだけの単純な日々を繰り返していた。時々、菜々と遊ぶ。
仕事は順調で、毎日高額の給料を手にしている。まだ入店して半年もたっていないが貯金もかなりできていた。住んでいる所は相変わらず店の近くのウィークリーマンションだ。
「瞳ちゃん。また来週来るからね。待っててね」
私を指名してくる客はたくさんいて、いつも大金を落としていく。気持ち悪いハゲたオヤジや、アキバ系の太った若い男など、まるでまともな客はいない。それでも私は、なるべく嫌な顔をしないように愛想の良い接客を心がけていた。