〈Vol.10〈勘ぐる~醜い女~〉〉



暑い……眩しい……でも眠い……瞼を閉じていても光が目の中に入り込んでくる。意識半分のなか、はるかは飛び起きた。
……え?
狭いボロアパートの室内は見慣れた光景だ。にもかかわらず、不思議でたまらない。どうして自分がここに?
テーブルの上にはビールや酎ハイの空き缶が何缶か転がっている。服を着たまま、化粧も落とさないまま寝ていた。意味がわからずにいたがすぐに昨晩のことだと思い返した。ここは聡と準平のアパートで、いつものように夕飯を作りにやって来た。しかし二人とも帰ってこない。何時間も待ったが帰ってこない。二人にメールを打っても返信はないし、電話をしても出ない。何かあったのだろうか……。事故とか、何らかの事件に巻き込まれたとか……。悪い方へは考えたくないが、つい考えてしまう。自分の家に帰ろうとも二人のことが心配で帰ることもできない。
どうしよう……
どうしたらいいんだろう……