しばらくして倉庫が見えてきた。

私みたいな重いのを運んできた咲にぃは全然平気そうだった。

それより…

「咲にぃ…もう倉庫に着くんだし降ろして?」

「まだだめ。今降ろして逃げられたら捕まえれる気がしねーもん」

逃げるつもりないんだけどな…今は。


倉庫に入るとみんな口々に「咲夜さんこんにちわッ」「咲夜さんお久しぶりッス」って言っていた。

でも時々「あいつ最近出入りしてる女顔に似てないか?」とか言う声も聞こえた。

windの前に来ると咲にぃは立ち止まった。

咲にぃがドアを開けたのを見て驚いた。

windに着いたらさすがに降ろしてくれると思っていた私は軽いパニック。

「よぉっ!」

「咲夜さん!」

疾風が駆け寄ってくるのがわかった。

あぁ…逃げたい。

「咲夜さん肩に担いでいる物は?」

恭耶…私にはふれないでほしかった…

「ん?こいつか?」

咲にぃは私を降ろした…

脱走を試みたけど咲にぃに阻止された。

「どこ行くのかな~?零ちゃん?」

ひっ!怖い!

その笑顔が怖い!

逃げたい衝動に駆られたけどこらえて、みんなのいるほうに振り返って

「は、初めまして!七瀬零ですっ!」

しーん

みんなを見てみるとみんなポカーンとしていた。

なに?私何か変だった?

心配になっていると疾風が

「零にそっくり…んでかわいい」

と呟いた。